・・・前回からの続き。
自分の体と自分が住んでいる家の周りの環境(家の中の環境も)とは密接に繋がっていて切っても切り離せないものだということを自分なりに理解しましたが、家の周りの大地の再生を考えていく中で、木や植物の根っこがある土中の環境のことをよく考えるようになりました。木にはその幹や枝を支えるだけの同じ大きさの根が土の中にはあるそうで、目に見えてる木や植物の様子だけでなく、目に見えない土の中の世界をよく想像するようになったんです。
そしてここでまた一つの気づきを得ます。家の周りの木や植物と自分の体は同じものだとするならば、土の中の水や養分を吸い取り生きている木や植物の根は、人間で言えば食べ物を食べそれを消化吸収している体内の腸にあたるのでは?と。なるほど形や機能も似ていて、木の根の先には細根と呼ばれる水と養分を吸収する細い根がびっしり張り巡らされているのと同じように、人間の小腸の内壁には絨毛と呼ばれる樹枝状に伸びる突起がありそこには栄養吸収細胞が1500億個ぐらいもあるそうです。
最近では健康のために腸内環境を整えることが大事とメディアでもよく言われていますが、なるほど人間の腸内環境も土中環境もそれがどういう状態かがとても大事だということですね。
ではどういう状態がいいのかというと、腸内では善玉菌がたくさんいる環境、土中では発酵菌がたくさんいる環境がいい状態です。酸化と還元、腐敗と発酵、+イオンと-イオン、ケガレチとイヤシロチなどこの地球環境ではどちらのベクトルに傾くかでその環境が左右されますが、ようするに腸内環境や土中環境もその中の微生物を発酵菌優位の状態にすることが大事なんだと言えます。
それで大地の再生から次は発酵というテーマで調べていたら、あるサイトで見つけた本が気になり、その著者のお名前を検索したところ、これまた一つの大きな気づきをいただいたんです。その方のお名前は栗生隆子さん。プロフィールをご紹介します。
栗生隆子(くりゅう・たかこ)
発酵生活研究家。 シンプルな暮らし、家庭でできる発酵生活を実践したところ、長年の腸疾患を自然治癒力で完治。 その経験から、目に見えない菌が健康にも環境にも大切な役割をしていると実感し、発酵への理解を深める。 カラダの中の仕組みは自然界と同じと気づき「発酵・循環・調和」をテーマにした執筆活動や国内外で講演を行う。 足下を温め、心もカラダも穏やかになる、血液の循環をさせる「冷えとり健康法」も実践。 著書に「豆乳グルグルヨーグルトで腸美人!」(マキノ出版)、「植物性乳酸菌の力で腸キレイ TGG(豆乳グルグル)ヨーグルト 」(永岡書店)、『体も家もピカピカになる「お米の発酵水」』(扶桑社ムック)、『からだにおいしい発酵生活』(宝島社)。その他、監修本も多数。 ナチュラルシフト共同代表。 発酵全般を楽しむサイト「facebook/TGG豆乳ヨーグルト同好会」の管理人。
発酵食をテーマに本を書いたり活動をされてる方はたくさんいますが、ただ単に発酵食だけでなくその奥底にある「いのち」とか「めぐり」とか「わ」を分かって活動されてることにとても感動しました。以下のサイト記事にご自身が病気になって生死をさまよい生還しそこから発酵の世界へと進まれた様子が詳しく載っています。
人間学を探究して四十年|致知出版社―20年治らなかった病を治した発酵食品の力。栗生隆子の体験的健康法――。
↓以下引用させていただきます
原因不明の激痛に悩まされた10代、20代
14歳から突然、下痢や頭痛、めまいに悩まされるようになった栗生隆子さん。いくつもの病院を回り、精密検査をするも、診断結果は決まって「異常なし」だったといいます。しかし、過敏性腸症候群の症状がひどく、下痢、便秘が繰り返され、その度に腹部に激痛が走るため、日常生活もままならなくなっていきました。
「西洋、東洋医学をはじめ、体にいいと言われる民間療法はすべて試みましたが、回復の兆しが見えませんでした。(略)
何度かそのようなことが繰り返されると、やがて精神は追い込まれていきます。その時に、生きるのにもエネルギーが必要ですが、死もまた生と同じくらいのエネルギーであると感じました。
生と死は現れが違うだけで同じエネルギーだと思った時、どちらの選択もできないと感じ、いままでの価値観、思考が崩れました。そして、いまでも理由は分かりませんが、生と死という両極端の方向から途轍もない力で引っ張られ、その瞬間、意識だけがポンッと時空間に飛んでしまった感覚になりました。
それは臨死体験とは少し異なり、意識だけが鮮明にある奇妙な空間でした」
苦しみが極限状態に達した時、栗生さんの精神は肉体から離れて、時空間に飛んでしまったというのです。その空間での体験をこう語ります。
「自分の姿も景色も光も闇も何も見えません。しかし、思考は鮮明にあるので、『これが死んだ後の世界だ』と感じたのを覚えています。そこで私は〝苦しみ〟の塊のようなものを持っていました。それまで『死んだら楽になれる』と考えていたのに、意識だけの状態になっても、苦しみはしっかりとあったのです。
その空間ではなぜか時間軸を変更でき、意識だけが飛んでいける設定になっていました。私は苦しみを軽減したい一心で、試しに1年後に飛んでみました。しかし、苦しみはそのまま。3年、5年、10年と未来に行ってもその苦しみは変わらず、100年後に飛んでもなくなりません。
『百年も経てば人の一生は終わるのに、それでも苦しみが取れないというのはどういうこと?』と衝撃を受け、私はやけになって、痛みが取れるまで未来に進んでみることにしたのです。200年後、1,000年後、1万年後へ行き、最後に2万5千年後まで行ったところでようやく気づきました。『時間という概念はなく、よって苦しみはなくならない。この病気の肉体で喜怒哀楽を体験することに意味があるのだ。五感は肉体がある時にしか知ることはできない』と……」
極限状態で掴んだ人生の真理
その後、「帰ろう」と強烈に思ったことで、現世に戻ってくることができ、その絶望のどん底で、「死ぬのではなく、この体のまま精いっぱい生きていこう」とありのままを受け入れることができました。すると、運命が変わったかのように、発酵食品に出逢い、20年間治らなかった病が治り、健康を取り戻すことができたのでした。
別のこちらのサイト↓にはさらに詳しく、「いのち」「めぐり」について書かれてあります。少し長いですがぜひ読んで頂きたいです。
栗生隆子さんとの対話/「めぐり」そのものとしてのいのち | 小出遥子オフィシャルサイト
そして最後に、今日のこのブログ記事でなぜ大地の再生から発酵の話になり、栗生隆子さんのお話をご紹介したのかというと、上記のサイトから引用しますが、インタビュー記事内の ↓以下の部分にとくに自分自身とても共感し、感動と希望を頂いたからなんです。
栗生:ありがとうございます。でもね、ここが重要なんですけれど、病が治ってうれしいというのはもちろんあるんですけれども、それよりも、あんな状態になっても、ちゃんと再生、蘇生するんだっていうことを、自分の身体で体験させてもらったことが、私としてはとても大事なことだったと思っているんです。
小出:「再生」ですか。
栗生:うん。話はいきなり大きくなってしまうんですけれど、人間の身体の中で起こっていることって、そのまま、外の世界で起こっていることにあてはめて考えられると思うんですよ。
小出:それは、発酵食との出会いを通じて気づかれたことなんですか?
栗生:そうですね。発酵食を作っていくと、その過程で、食材がどこでどうやってできているのかということに、おのずと関心が向いていきます。大豆とか、小麦粉とか。そうすると、いろんな問題が見えてくるんですね。種の問題、栽培の問題、肥料の問題、あとは添加物の問題。社会的なことがぶわっと見えてくる。すると、今度は農業を取り巻く環境そのものにも目がいくようになるんです。
小出:環境そのものにも。
栗生:はい。すべて循環していますから。山でミネラルが生まれて、川が運んで、海に流れて、そして海の水が蒸発して水蒸気になって、雨になって、森を育て、山を育て、そして海を育てる……。自然界は、すべて、循環の中にある。
人間の身体もこれとまったく同じなんです。私の身体でそれが証明されました。足元を温めたことによって、血液が循環しはじめ、停滞していた細胞、臓器が蘇っていきました。身体の中は、頭から各臓器、手足の末端までぜんぶつながっていて、循環することで「すべてが生き出す」ということを実感しました。身体の中も、自然界と同様、切り離されたところはひとつとしてなかったんです。
小出:自然界も、人体も、大きな「めぐり」の中にあるのですね。すべてがめぐっているからこそ、生きていられるというか……。
栗生:そうなんです。だからね、いま、いろんな公害とか、化学肥料とか、それこそ放射能とかで死んでしまった土が問題になっているでしょう。これはもう元には戻らない、絶望的な状況だ、みたいなことが言われているんですけれど、でも、私は、そんなことはぜったいにない、って思っているんです。なぜなら、あんなにひどい状態だった私の身体でさえ再生したのだから。だから、どんなにひどく汚染された環境も、ぜったいに再生できる。
再生への具体的な道筋は、いまの私には見えていません。でも、かならず、自然発生的に、なにかの手立てが見えてきて、道は開けてくると思うんです。そこは信じています。
小出:力強いおことばです。
たいへんなご経験をされた方から出る「絶対に再生できる」というお言葉、勇気と希望が湧きました。